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【筑波大学】複数の企業・機関が保有するデータを統合解析できるAI技術を開発

2019/09/27

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と筑波大学 システム情報系 櫻井鉄也教授らは、複数の企業・機関がそれぞれ保有するデータに対して、互いにアクセスせずに統合的に解析する人工知能(AI)技術「データコラボレーション解析」を開発した。

 AIによる解析の精度を上げるためには十分な数のデータを集めることが必要。それには、各企業・機関が保有するプライバシー情報などを含む元データを共有せずに企業・機関の垣根を越えた統合的な解析が行える技術が必要とされていた。

 今回の「データコラボレーション解析」は、各企業・機関のプライバシー情報などを含む元データの代わりに、元データをAI技術により変換した「中間表現データ」のみを共有する仕組み。これによって、元データに含まれる秘匿性の高い情報の安全性を担保しつつ、多数のデータの取り扱いが可能となることでAIの解析精度の大幅な向上を実現する。秘匿性の高い医療データや企業データ、教育データなどは、複数の企業・機関で共有することが情報セキュリティーの理由から困難であったが、元データを共有することなく統合的に解析を行うことで、これまで得られなかったような解析結果の抽出と、解析性能の飛躍的な上昇が期待される。

 現在、実用化に向けて、筑波大学附属病院が保有するデータの解析と、学校法人聖路加国際大学と株式会社島津製作所から得られるデータの解析を行うための協議を進めている。また、医療以外の分野での解析を目指して、様々な業界へ適用を呼びかけていくとしている。

 (筑波大学HP:http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201908071400.html)

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